【台風19号】
(幹事社)
はい、ありがとうございます。発表項目についてちょっと通告させてもらってるんですが、それと合わせて2点ちょっとお伺いしたいんですけども。一つは、今回の台風の被害は内水氾濫による浸水が一つの被害が大きかったということで、今年度当初予算から、国の国土強靱化事業の補助を受けて大規模な河川改修などを計画しているというふうに聞いておりましたけれども、その進捗(しんちょく)状況と、今後の見通しなどを簡単にお聞かせいただければ。
それともう1点、補正予算の件なんですけれども、今後、積算をしていって12月議会に間に合わせるようなイメージかと思いますが、その辺の見通しなども、またお聞かせください。
(知事)
分かりました。いいご質問ありがとうございました。まず、ご指摘のとおり、国の防災減災国土強靱化のための3カ年緊急対策によりまして、平成30年度2月補正予算から3年間で100億円の予算によりまして、河川の流下能力を向上させる河川整備を進めているところであります。この3カ年緊急対策の進捗(しんちょく)状況についてのご質問ですが、平成30年2月補正予算で約39億円。本年度予算で約41億円。55河川において、川の道内の土砂撤去や、立木の伐採などによりまして、立ち木ですね、立ってる木の伐採などによりまして、河川の能力を最大限に生かす河川整備を現在実施しているところであります。本年度は、来年度までの緊急対策でございますけれども、対策を要する河川はいまだ多数存在するので、引き続き、国土強靱化のための予算の継続を強く国に働き掛け、本県のさらなる治水安全度の向上に努めていくつもりであります。もちろん今緊急を要されるものは、場合によっては専決によりまして、12月の補正でもいただくなり、調査がしっかりしたものにつきましては、そのときもあらためて補正予算を組むということで、滞りなく、着実に、できるところから河川の改修、また、河川の強靱化に努めていきたいという考えでおります。
(幹事社)
発表項目に関して質問のある社、挙手をお願いします。
【台風19号による林道東俣線の被害】
(記者)
東俣線についてお伺いしたいんですけど、私もあそこでちょっと事故に遭いかけて、ちょっと怖い思いをしたんですけど。道は市が管理していると思いますが、事業主体のJRにもそれなりの管理責任があると思うんですけれども、具体的にどういう責任をJRは負うべきだとお考えですか。
(知事)
はい。林道ですけれども、作業道であるということなんですね、そこからしか入れませんから。ですから言ってみれば、畑薙からは完全な作業道ですけれども、畑薙に行く道も、実質二つしかありませんね。一つは川根本町から、いわゆる閑蔵線を通って入ると。もう一つは三ツ峰落合線という、くねくね道を通って井川の方に出るという、こういう道しかありません。これも広い意味で、私は作業道だと思っております。従って、三ツ峰落合線につきまして、トンネルを掘るというのは、静岡市と突然協定が結ばれたわけですけれども、トンネルは、JR東海さんが掘るというのは、それが作業員の往来する道だからですね。しかしながら、畑薙ダムから向こうは、二十数キロ、これは許可がなければ入れません。特種東海製紙の管理されているところであり、同時に、道につきましては林道として市が管理してると。そこが作業道になっておりまして、記者さんも行かれたとおり、しばらくは左岸を通っていくわけですけど、畑薙の橋を渡って、今度右岸を、上流の方に行くわけですよ、すぐそばのところでこういう崩落が起こったわけですね。その上は行けないですよ。救急車も行けません。どういうふうに助けるんだと。これは、もうそこで管理する人が、そういう意識を持っていればすぐに気が付くことです。ですから、私はもうそこで作業小屋を建てたいとか言われたときに、この道はどうなってるんですかって聞いたら、全くそういう自覚がないような応接を当時の宇野副社長さんがなされました。
結果的にこういうことが起こってるわけですね。あなたもそういう事故に遭いかけられて、ひょっとしたら、岩があなたの頭に当たっていたら今の質問もできなかったということじゃないですか。これは他人事ではありません。ですから、あそこに県民の作業員もいるに違いないし、そういう意味では、JR東海さんは、その本体工事はもちろん大事なことが分かっておりますけども、本体工事を進めるための準備作業というものについても、危機管理をきちっとしていただかないと困ると。これから、またいつこういう集中豪雨とか台風のものが来ないとも限らないということですから、可及的速やかに約束守って、すぐに工事に入っていただきたいと。また林道管理してる市当局も、約束を履行するように、市当局としてもできる限りのことを今するべきであるというふうに思いますね。
(記者)
同じく東俣線で、JR東海の金子社長は、2019年度中にも本体工事に着工したいという意思を示していますが、今回のことも含めて、時間の認識っていうのは難しいものがあるんじゃないかとお思いでしょうか。
(知事)
どういう意向を持ってるかは自由ですけれども、工事をするのは、金子さんご本人じゃないですからね。その工事をする方々が安全に工事ができるようにするというのは、管理者の義務であります。今回このような林道が通行不全になってるということについては、まずこれをしっかりと元に戻すと同時に、約束どおりこの林道整備すると。従来は口約束だったそうですよ。特種東海製紙の社長秘書されてる鈴木さんとおっしゃったか、名前を間違ってるかもしれませんけど、その方に「工事に入るときについては必ず林道整備する」とおっしゃったそうです。だけどそれ書面になってないので、心配だということが、6月13日にその方から僕に打ち明けられて、そうしたこともございまして、きっちりしてくださいということで、7月1日の協定になったということですね。ですから、約束した以上すぐに実行するように段取りを整えていただきたいし、今はもう文字通りこの東俣線のところだけでなくて、恐らく、幾つも複数のところでみたいなことが起こっているということですから、まずそこをしっかりしないと、本体工事なんかについて、語られる状況かというふうに問題を提起したいと存じますね。
(幹事社)
他にございますか。台風の件等よろしいですか。
すみません、幹事社質問に移らせてもらいます。今、リニアの話出ましたけれど、11日、国交省の鉄道局長が、難波副知事とJRの宇野副社長と、霞ヶ関に集まって3者会談を開いたというふうに聞いています。この内容についてどういった報告を受けておりますかというのと、このJRとの対話が今、膠着(こうちゃく)状態、この間ああいう形になった中で、国にあらためてどのような関与を期待されるかというのをお聞かせください。また会談の内容についてはまた、難波副知事にも詳しくお聞きできればと思ってますので、よろしくお願いします。
伊豆半島の風力発電の件で、強い懸念を覚えるという、環境影響評価の知事意見が先日、出されましたけれども、今月、知事広聴で現地を行かれたというふうに報道で見ましたが、この計画のについての知事の見解を聞かせてください。
【リニア中央新幹線】
(知事)
ご質問ありがとうございました。まず、11日の3者会談。これは記者会見やってるときだったんですね。それで皆さま方に、今、難波副知事が鉄道局長の水嶋さんと会っていると、またJR東海からは宇野副社長がご出席の見込みであると。これが3者会談ということでございまして、皆さま方に、帰り次第、この件についてはつぶさにご報告申し上げるというふうにお約束したとおりでございます。ところが、台風の影響がありまして、対策会議が開かれまして、もちろん難波副知事もその対策本部委員会議の主要メンバーでありますので、そのときに簡単な報告をまず受けました。その後、実は3者だけでなくて、うちからは織部局長、今日は、彼が織部局長さんですけれども、出席しておりまして、織部局長の方から、私はつぶさにそのときの会談の模様ですね、報告を受けております。
だが3者では、今協議中なので、協議の内容については、皆さま方にかいつまんで、協議がまとまるまでは話さないようにするということだったんですけれども、私どもとしましては、ありとあらゆる情報というものを皆さんと共有したいと、こういう考えでおります。まず3者会談では、国交省からリニア中央新幹線の早期の実現と、建設工事に伴う南アルプス地域における水資源と自然環境への悪影響を回避、あるいは軽減するための、3者による新たな合意作成、合意文書の作成について提案されましたけれども、その場での合意には至らなかったということです。現在、合意文書の内容は、国交省さんが中心となり、調整されているという報告を受けております。新たな3者合意が発表されていないために、会談内容につきましては、私の方からではなく、これだと伝言ゲームになりますので、知事定例記者会見終了後に、難波副知事の方から皆さま方にご説明を申し上げます。今日はご案内のようにふじのくに交流会があります。しかし、いつ何時こういう危機管理事案が起こるか分からないので、難波副知事には、通常はふじのくに交流会に行ってもらうわけですけれども、こちらで危機管理の担当者としているということです。十分に時間をかけて、いろいろ質問してくださって結構だというふうに思います。
それから静岡工区の施工に当たりましては、国が積極的に関与してくださるということであれば、県民の皆さまの不安の払拭(ふっしょく)にも役立つと思いますし、JR東海と科学的根拠に基づいた協議を進めていくことができるというふうに私は期待をしているところであります。
【洋上風力発電】
二つ目のご質問でありますが、洋上の風力発電ですね。これは、どう思うかっていうことですね。まず、第1に、洋上風力発電設備は海岸線、陸域、クルーズ船からの景観に悪影響を及ぼすと考えております。第2に、景観への影響は即観光産業に影響を及ぼすと考えております。第3に、工事の実施や、発電設備の存在、稼働による騒音、海流の変化等が漁業に影響を与えると、悪い影響を与えると考えております。第4にそれは、海洋の生態系に悪影響を及ぼすと考えております。第5に海上交通の要衝でございます。1カ月に何百隻もの船がこの往来をしているということでございますので、船舶の航行の障害となるというふうに考えております。第6に、南海トラフ地震等により、発電設備が倒壊する恐れを払拭(ふっしょく)することができません。今六つほど挙げましたけれども、こうした懸念に照らしますれば、この計画は成り立ち得ないと考えております。以上であります。 |